同規模人口の他都市でも6割給付。意味不明の言い訳

世田谷区は、定額給付金の申し込みが、予想を上回ったと、もっともらしく説明している。しかし、5月末から6月初旬に到着したというのは、1日あたり4万件台。定額給付金の対象世帯49万世帯の1割にも満たない量である。全体の10分の一が到着して、多すぎるというのは、いかにも苦しい言い訳だ。単純に、準備をしていなかっただけである。
もし、6月の第1週で、多いと思えば、そこから立て直すことも可能である。しかし、区民に対しては、振り込み時期は、6月初旬から6月上旬に変更になった、さらに2週間後に変わった、それも守らずに、1ヶ月後になった、と意味不明の説明を続けている。
また、振込み数や、郵送申請数のデータも開示せず、ある区議の指摘を受けて、ようやく6月19日からHPに数字を掲載し始めた、お粗末ぶり。世田谷区では、定額給付金が、いったいどうなっているのか、まさに「ブラックボックス」になっていたのだ。
■明らかに問題ない、単身世帯・ひとり親世帯へも振込まず
郵送分の6月19日現在の振込み完了数は、約3万2000件(同日現在の郵送申請38万件)。さらに問題となるのは、6月の上旬から半ばの状況は、わずか全体のうち6000件しか振込みが行われないまま、放置していたことである。6000件と言えば、1日あたり数百件しか、振り込んでいないことになる。
こうした振込みの少なさについて、世田谷区は、複雑な家庭環境等を精査したと言い訳するが、これも、おかしな説明である。つまり、単身世帯の10万円や、母子家庭の20万円など、シンプルな単身・ひとり親世帯にも、振り込みを行っていないのである。用紙をみれば、一目瞭然である。これらの世帯への振込みは、何ら問題がない。ということは、この点での世田谷区の説明も、「方便」ということになる。そして、こうした説明は、区議に対しても行い、誤魔化していたわけだ。

■選挙の開票と同じ方法で、簡単にできる
こういう指摘をすると、いや、なかなか大変なのでしょう、という話をする人も出てくるが、一番簡単な方法は、選挙の開票所と同じノウハウを使うことである。
開票風景をみたり、または行政から実際に開票作業にあたった方には、すぐにわかる話だが、体育館などに、職員300人ぐらいを集め、開票と同じ流れで作業すれば簡単なことである。
まず、大テーブルの上に、郵送物をザーと箱から一斉に出して置き、隣にならべた机の開封コーナーの職員の集団は、次々と開封する。次に、開封したものを確認する集団のコーナー。一斉に、証明コピーと合っているか確認する。そして、確認済みのものを点検する人のところへ、持って行く。これは、選挙の即日開票で、夜間の数時間で、選挙の度に行われている方法なのだ。
そして、点検済みのものは、体育館に端末を持ち込んで、どんどん入力してもよいし、端末を運び込めないのであれば、別の端末ルームまで、紙を運べばよいだけである。あとは、金融機関に振込先のデータを渡すだけなので、それで完了である。データ渡しが難しければ、振込先のコピーを次々とって、それを金融機関に渡すだけである。
この方法をとっているかどうかは、別としても、世田谷区と同規模の都市でも、次々と10万円の給付を行っているので、世田谷区だけが、特別に難しいということは、何もない。区民からは、もう生活がぎりぎり、食料も買えないといった、悲痛な声が続出している。
新型コロナウイルス問題では、公務員は、給料・ボーナスに影響はないが、一般人の場合は、売り上げ激減、収入激減、支払いに困る、食料も買えないといったケースが相次いでいる。定額給付金の振込みが、1日早い、遅れるということだけでも、死活問題となっているのである。
(成城ねっとTV 6月24日)
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